書影
  • 漢方みず堂/編
  • A4変形版 176ページ
  • ¥7920 (本体価格 ¥7200 + 税)
  • 2016年02月25日 発売
重版情報
2刷 2016-05-30

紹介

漢方による治療効果を高めたいすべての医療従事者に推奨したい一冊です。漢方みず堂の編集による、臨床現場で実務的に使える「弁証論治」(体質に合った漢方方剤選定)のための手引書。弁証論治の基礎知識や専門用語の解説も充実しています。

《本書の特徴》
1. 弁証論治による漢方方剤選定力を習得可能
2. 各疾患につき40~90方剤の中からスピーディな選定が可能
3. 臨床現場で使用しやすい診療科別の分類
4. 巻末に保険適用エキス剤・薬局製造業務指針の220方剤を収載
5. 2015年に薬局製造業務指針へ追加収載された方剤にも対応

★知りたい情報にすぐにアクセスできる《使いやすさ》を実現
★PUR(特殊糊)製本で、本が壊れない《丈夫さ》を実現(本文用紙のめくりやすさにもこだわりました)
★目と心に優しいデザインとカラー印刷で、《美しさ》を実現

書影2
書影3

前書など

 この本は、漢方を学び、知識として漢方を理解はしているものの、臨床において、実務家が様々な場面に対応するための本が少ない事がきっかけとなり、取りまとめました。
 漢方に携わって35 年が過ぎようとしている今、あらためて過去を振り返ると、大きく漢方業界は様変わりしていると感じます。漢方薬が薬価収載され、現在では漢方を学ぶ講座がすべての大学の医学部に導入されていると聞きます。一方、漢方薬局であったところが、いつの間にか撤退もしくは調剤薬局にとって代わられ、保険医療制度における漢方薬が主流になる、というように時代の趨勢が変化してきました。
 保険制度に準拠する以上、西洋医学的に適用を決め、画一的に使用せざるを得ないことを禁じようもない事は明らかであります。しかしながら、漢方には漢方本来の病気のとらえ方、用い方があります。病名やただ一つの症状だけでは漢方薬を選定でき得ない現実があり、漢方には計り知れない奥深さがあると感じるのは私だけではないと思います。
 そうはいっても、適切に漢方を処方するためにはそれなりの道筋が必要である事も事実であります。その道筋のためには、漢方は漢方の考え方であらなければなりません。3000 年の歴史を持つ漢方の世界に、深淵なる漢方を理路整然と体系づけた中医学という言葉が出てきたのはまだ70 年程度。いわゆる古方・後世方という、古来の漢方の歴史的な学術書から学んできたものが、漢方独自の考え方で体系的に漢方をとらえた中医学の恩恵にあずかり、それをより実践的に応用しながら、その奥義を、臨床を営む実務家向きに編集したのが本書であります。
 本書は、日頃から漢方本来の考え方や見方、とらえ方に基づいた漢方の選定や、広義の漢方の対処の仕方を、真摯に地道に極めようと歩まれている医療関係者の方々のための、漢方方剤選定の手引き書であります。
 ぜひ、日々臨床でご苦労されていらっしゃる皆様のお役に立ち、ひいては病気に悩み、苦しみ、不安を感じ、さらには劣等感や病気に対する恐怖感をお持ちの人々が、少しでも笑顔で楽になりますことを願って本書を上梓いたします。

目次

06 はじめに

08 本書の特徴

09 第一章 弁証論治の基礎知識
10 (1)病気の成り立ちと治癒の原則̶陰陽論
11 (2)東洋医学的診断・治療法の基本̶弁証論治
12 (2)–1 八綱弁証̶病位・病性・病勢の判断方法
13 (2)–2 臓腑弁証̶病機病証の判断とその治法及び病証とその適応方剤
25 (2)–3 気血津液弁証̶病因の判断とその治法及び病証とその適応方剤
32 (2)–4 病邪弁証̶病邪の判断とその治法及び病証とその適応方剤
33 (2)–5 六経弁証̶病因の判断とその治法及び病証とその適応方剤
34 (3)副作用について
37 (4)妊娠中の漢方方剤使用について

39 第二章 疾患別弁証論治
40 凡例
42 疾患名別索引(以下)
42 感冒
46 呼吸器科系疾患
48 消化器科系疾患
54 循環器科系疾患
58 ダイエット
60 代謝・内分泌科系疾患
64 精神神経科系疾患
70 運動神経科系疾患
76 腎・泌尿器科系疾患
82 皮膚科系疾患
88 婦人科系疾患
94 不妊症・不育症
98 小児科系疾患
100 眼科系疾患
104 耳鼻科系疾患

111 索引
112 主治解説(五十音順)
126 方剤解説(五十音順)
166 疾患名索引(五十音順)

171 主要参考文献

172 おわりに

著者紹介

漢方みず堂(カンポウミズドウ)
薬屋として創業105 年の株式会社ミズの子会社として平成22 年2 月1 日設立(代表 河端孝幸)。漢方の知識だけではなく相談を受ける者自身が薬となり、ご病気で悩まれる方々の心身共の健康に貢献することを薬局の使命と定め、同志となる他企業とも協働しその実現を目指している漢方相談薬局。